股関節は、いきなり伸ばさない|ストレッチ前に動かす理由
- たなか接骨院
- 8月11日
- 読了時間: 5分
八尾市の河内山本でデスクワークから来る
肩こりなどの不調を調整する整体院の田中幸司です。
「股関節が硬いから、痛くても深く伸ばした方がいい」
そう考えている方は多いです。
しかし僕は、股関節ストレッチの前に、まず小さく動かせる状態を作ることを意識した方が良いと考えてます。
目次
セルフケアの方法を先に確認したい方は、専門用語を使わずに解説したこちらの記事をご覧ください。
【股関節ストレッチ前の運動を分かりやすく解説した記事はこちら】
ここからは、専門的な視点からさらに深掘りします。
なぜ股関節は、伸ばす前に動かした方がいいのか
ストレッチ前に足を前後・左右へ動かす方法は、運動学では「動的ストレッチ」や「動的ウォームアップ」に近い考え方です。
この目的は、硬い筋肉を勢いで引き伸ばすことではありません。
股関節を動かす筋肉を収縮させながら、脳と関節の間で動く方向や範囲を確認することです。
筋肉の中には、長さの変化を感知する「筋紡錘」があります。
いきなり強く伸ばされると、体を守るために伸張反射が働き、筋肉が収縮しやすくなります。
だから、痛みを我慢して深く伸ばすほど、かえって力が抜けにくくなることがあります。
一方、痛みのない範囲で股関節を反復して動かすと、腸腰筋、大殿筋、中殿筋、内転筋群などが順番に働きます。
動的ストレッチには、一時的に関節可動域を広げ、筋肉と腱を合わせた「筋腱複合体」の硬さを下げる可能性が報告されています。
大切なのは「無理に柔らかくすること」ではなく、股関節を安全に動かす準備を整えることです。
股関節の動きが腰や肩こりに関係する仕組み
長時間座る姿勢では、股関節は曲がった「屈曲位」のまま固定されます。
長時間の座位や身体活動の少なさは、股関節を後ろへ伸ばす「伸展」の動きにくさと関連することも報告されています。
股関節の伸展や回旋が不足すると、歩く、立ち上がる、体をひねるといった動作で、骨盤や腰椎が代わりに大きく動きます。
これを「代償運動」といいます。
例えば、股関節が後ろへ伸びにくい方が歩幅を広げようとすると、腰椎を反らせて足を後ろへ送ることがあります。
股関節の回旋が少なければ、腰や胸椎を過剰にひねって動きを補います。
この骨盤と背骨の連動は「腰椎骨盤リズム」と呼ばれます。
どこか一か所の動きが不足すれば、別の場所へ仕事が移るのです。
さらに、骨盤が後傾して胸椎の後弯が強くなると、肩甲骨は外転・前傾しやすくなります。
その状態でも頭と目線を正面に保つため、僧帽筋上部、肩甲挙筋、後頭下筋群が働き続けることがあります。
つまり、股関節の硬さが肩こりを直接作ると断定することはできません。
しかし、骨盤、胸郭、肩甲骨を介した「運動連鎖」の一部として、首や肩の負担に関係する可能性はあります。
肩の不調を見る際に、体幹や下半身まで確認する必要性も示されていますが、現時点では研究の確実性が高いとはいえないため、個別に体の動きを見ることが重要です。
僕が施術で確認するのは「柔らかさ」だけではない
八尾市の河内山本で肩こりのお客様の体を見るとき、開脚の角度だけで股関節を判断していません。
股関節の屈曲・伸展・内旋・外旋、骨盤の前後傾、片脚立ちでの体幹の揺れ、胸椎の回旋、肩甲骨の動きまで確認します。
股関節そのものが動かないのか。
動かす筋肉に力が入りにくいのか。
それとも、腰や骨盤を使って動きを補っているのか。
状態によって、見るべき場所は変わります。
ストレッチ前の運動で確認したいのも、単に深く曲がるようになったからではありません。
「左右差が減ったか」
「腰の代償運動が少なくなったか」
「立ち上がりや一歩目が動きやすいか」
こうした体の反応を見ることが大切です。
強い股関節痛、足の付け根の引っかかり、体重をかけられない痛み、しびれ、筋力低下、転倒後の痛みなどがある場合は、無理に動かしたり伸ばしたりせず、早めに医療機関へ相談してください。
股関節ストレッチは、強く伸ばした人ほど結果が出るものではありません。
まず動かし、体の反応を確認してから伸ばす。
その順番が、腰や肩へ余計な負担をかけずにセルフケアを続けるための土台になります。
本日は以上です。
わからないことがあれば、お気軽にお聞きください。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
あなたの悩みを聞かせてください。
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